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トレハロースの効果−トレハロースのパン作りへの応用

トレハロースとは

トレハロース

写真に見るように、サラサラとしていてグラニュー糖のように見えます。味は砂糖のような甘さは無くすっきりとした甘味です。

トレハロースは動植物や微生物に多く含まれている天然糖質で、その発見は古く、今から約180年ほど前に明らかになっています。しかし、トレハロースの抽出は難しく、ようやく1994年に、株式会社林原が「でんぷんからの量産」に成功しました。トレハロースの大きな特長のひとつとして、水をしっかりとつかまえ、離しにくいという特質があります。また、食品の臭いを抑えたり、色彩を保つなど様々な効果があるようです。

効果の確認

〔確認方法〕

砂糖の代わりにトレハロースを加える量を3種類に設定して、食パンを焼いて確認してみた。
  • トレハロースの量 (1)0%, (2)50%(8g), (3)100%(16g)
  • 食パンの材料 強力粉250g、生種(あこ酵母)20g、水145g、塩小さじ1、砂糖もしくはトレハロース16g

〔結果〕

  • 焼き上がりの見た目は0%, 50%のパンには差は見られませんでしたが、100%のものはキメが粗くなり、釜伸びも少なかったです。また、この100%のものは発酵時間も他のものに比べて、同程度の大きさまで発酵するのに2割ほど長くかかりました。
  • 味の違いは、0%, 50%のものはそれほど変わりません(交互に食べ比べてみなければわからない程度)。しかし、100%のものは甘味が少ないです。
  • 食感は焼き上がりはほとんど変わりません。ただし、100%のものはキメが粗くなったため、他に比べて劣ります。
  • 時間経過によるパサつき感に大きな変化が出ました。0%のものは次の日になるとパサパサ感が出てきましたが、トレハロースを加えたものはしっとり感が保ています。3日経過後も多少は水分が抜けた感じはありますが、まだまだしっとりとしておりそのままでも十分に美味しく食べることが出来ました。

※食パン袋1斤用ポリ袋(パン屋さんなどで使っているもの)に入れて室温で保管。

〔結論〕

  • トレハロースの使用量は砂糖の50%が良いと考えます。
    (今回の実験では他の分量を確認していないのでこの量が最良とは限りません)
  • トレハロースを加えることで、食感や食味を変えることなく、時間が経ってもしっとりとしたパンを作ることが出来る。
  • 砂糖の全量(100%)をトレハロースに置き換えるのは良くないと思われます。

メモ

  • 今回の実験はn=1でもあり、また発酵時の温度や時間なども異なるため、この結果の全てが正しいものとは限りません。しかし、トレハロースの有用性は認識できました。
  • また、トレハロースは甘味はありますが甘味料とも異なります。砂糖の代用品としてではなく、全く新しい食材と考え使うことをお勧めします。使い方次第で様々な料理に巾が出ると思います。
  • 【トレハロースの詳細】(林原商事のHP)
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